今回は日本映画の最大の黄金期を駆け抜けた幼女と少女役スターの天才名子役の前代未聞たちに迫ります。
表ブログの映画を極めろ一直線女子 月形龍之介の助演代表作と「雄呂血」名匠 知られざる多数代表作から不思議な悲運を公開いたしました。
今回は月形龍之介 沢村国太郎 雄呂血 玉木潤一郎 水戸黄門 江戸怪賊伝 影法師 二川文太郎 阪東妻三郎 高木新平 中根龍太郎 マキノプロダクション マキノ輝子 中村吉松 復讐浄瑠璃坂 第一部 鬼伏峠の襲撃 復讐浄瑠璃坂 第二部 暁の血戦
今回は下記の二つの流れを受けている記事です。
eiga-ityokusen-jyosi-tubuyaki.hatenablog.com
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片岡千恵蔵と長女の植木千恵の全共演作 忠臣蔵編 里見浩太朗登場
忠臣蔵は時代劇映画や時代劇ドラマのもっとも大きな華、忠臣蔵映画は外伝含んで軽く300作以上が作られ、これまで200名以上の映画スターが出演し、特に戦前と戦後の時代劇黄金期の出演俳優や主演俳優にとって大きなステータスの一つでした。
片岡千恵蔵の直属の後輩たちの一人である里見浩太朗はCS放送の番組インタビューで話していましたが、テレビドラマで忠臣蔵(忠臣蔵 前篇「君、怒りもて 往生を遂ぐ」 後篇「我、一死もて大義に生く」(1985))で大石内蔵助を演じたとき、ようやく時代劇俳優としての一つの目標が達成できて、偉大なる先輩たちの背中が見えたような気がする趣旨の話をしていました。それだけ忠臣蔵は一つの到達点だったのです。
里見浩太朗とは
時代劇『長七郎江戸日記シリーズ』、『大江戸捜査網』(2代目主演)、『水戸黄門』(東野英冶郎版からだと5代目)、「「忠臣蔵 前篇「君、怒りもて 往生を遂ぐ」 後篇「我、一死もて大義に生く」」(1985)、現代劇『特別機動捜査隊』(2代目主演メンバーの片方)などがテレビドラマの主な主演の代表作
時代劇『神州天馬侠』前後作、『新黄金孔雀城』前後作、『十七人の忍者』や『第三の忍者』の忍者時代劇映画、集団時代劇映画の『大殺陣』などが映画の主な主演の代表的作品
*忠臣蔵 前篇「君、怒りもて 往生を遂ぐ」 後篇「我、一死もて大義に生く」」(1985)、日本テレビ系で大晦日のNHK紅白歌合戦のウラ番組としても放送され、高視聴率を記録したことでも知られています。
片岡千恵蔵と長女の植木千恵の全共演作 忠臣蔵編 レジェンド級な記録
片岡千恵蔵と長女の植木千恵の全共演作 忠臣蔵編 レジェンド級な記録
1953『女間者秘聞 赤穂浪士』 大石内蔵助の息子の大石大三郎役 (幼児) 千恵蔵の忠臣蔵もの デビュー作
1956『赤穂浪士 天の巻 地の巻』 市川右太衛門の大石内蔵助の娘のおくう役(少女)、助演共演 *年間観客動員1位
1959『忠臣蔵 桜花の巻 菊花の巻』 千恵蔵の大石内蔵助の娘のおくう(少女役)役 *年間観客動員ベスト5入り
植木千恵は当時は*幼女~*少女でしたが、忠臣蔵や現代劇のいくつかにおいても幼児や少年役を演じています。これが異例なことです。さらに父の片岡千恵蔵との共演作でも大石内蔵助の娘のおくう役(大石内蔵助の娘のおくう役で少女を2度演じ、大石内蔵助の息子の大石大三郎は1度、一人の子役が幼児役と少女役の性別の異なる役を演じています。
<上記補足>
*幼女子役は1歳から8歳くらいまで
*少女は7歳から18歳くらいまでの説あり、子役自体は13~15くらいまでの説
*幼児はここでは8歳くらいまでの幼い男の子を幼児で表現
これは忠臣蔵映画の膨大な歴史の中でもとても珍しいことで、歴代でも他にほぼないことといえるでしょう。戦前にマキノ雅弘(名子役、映画監督の大巨匠、名プロデューサーなどで幅広く大活躍)が名子役時代(日本の子役史上歴代最多の映画出演、俳優としては最低でも170作以上の映画に出演)に演じていた忠臣蔵映画に多数出演しているため、大石内蔵助の息子と娘を演じていた可能性はありますが、きちんとした記録は不明です。記録がきちんと残るのみでは植木千恵だけともいえるでしょう。
特に戦後ではなかったことです。当時は製作者表記はありませんが、事実上の製作者の一面も持ち合わせていた映画スターの片岡千恵蔵の娘だからできたことなのです。片岡千恵蔵は戦前の千恵プロ映画時代から戦後も自分の意思を反映させた映画(事実上のプロデューサー要素有)を数多く作りました。個人的に知る限りでは少なくても映画では他に誰も存在していません。
植木千恵は自身で何処まで理解していたかは分かりませんが、忠臣蔵映画に出演が1分に満たないほどのワンシーン級の端役であっても、3作に出演、しかもその全てが大石内蔵助の子供(幼児役と幼女役~少女役)であり、これだけでもかなりの履歴です。一人の子役が忠臣蔵で幼児役と少女役の性別の異なる役を演じることは一つのレジェンド級な記録です。
1953年のヒット映画『女間者秘聞 赤穂浪士』の貴重なパンフ 1953.4.1と書かれています。
上記の映画パンフレットの3名は片岡千恵蔵と大スター女優の木暮実千代(上記の小暮実千代の表記は間違い)と山田五十鈴の娘で映画で活躍したスター女優の瑳峨三智子(嵯峨美智子、読み・さがみちこ=タイトル『女間者秘聞 赤穂浪士』の女間者を演じている)だと思われます。この映画はオールスターとして作られ、植木千恵は大三郎役で出演していますが、戦前にアメリカ映画で最初に大活躍した日本人名優の早川雪洲など多くの著名俳優が総出演しています。
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